知って得する境界標の知識

知って得する境界標の知識

境界標は境界の点や線の位置を表すための標識です。
境界標の頭部には、境界点の位置を特定するしるしが付いています。

境界標の条件

境界標は、あなたの大切な財産である土地を守ります。
土地の管理の第一歩は、境界標の管理から始まります。


(1)不動性
境界標が簡単に移動しては問題です。簡単に移動しないよう堅牢に設置することが大切です。

(2)永続性
100年くらいは風雪に耐えうる耐久性のある堅固な境界標を設置することが大切です。

(3)視認性
境界標が誰から見てもわかるように、ペンキを塗るなどして明瞭にしておくことが大切です。

(4)特定性
自分の土地の境界標は、設置状況を写真撮影するなどして、位置を特定できるようにすることが大切です。

(5)証拠性
境界標を設置した場合は、設置状況を写真撮影するなどして、位置を特定できるようにすることが大切です。

(6)管理性
現地の状況(地目・地積など)と登録されている記録とに異なる点がある場合には、現況と登記記録を一致させておくことが大切です。

境界標の種類

境界標の管理~自分で出来ること~

【境界標が無くなってしまう事例】
・傾斜地などで土砂崩れなどによって移動したり無くなってしまう場合。
・道路工事や電柱工事又はブロック塀の築造によってなくなってしまう場合。
・盛土などによって直接確認できなくなる場合。
・車などに踏まれることによって移動、破損する場合。
・境界標の頭部が破損することによって矢印や十字印が分からなくなる場合。
・経年変化、腐食などによって破損する場合。


管理の一例として、自分の誕生日、元旦といった特定の日に境界標の状況を再確認する習慣をつけましょう。

また境界標付近で工事などが行われるときは、境界標が移動したり、無くなってしまったりしないように、事前に工事責任者に確認するなどの注意をすること、万が一移動した場合には、もとの位置に復元できるよう地積測量図(の写し)などを保管しておき、「もしも」のときに備えておくことが大切です。

境界標の位置がずれている!

境界標の不存在と並んで境界紛争の原因の一つに「境界標の位置がずれている」ケースがあげられます。境界標の位置がなぜずれてしまうのか?誤って設置したケース、意図的にあるいは事故で境界標が移動したケースなど原因はさまざまです。当事者で争うことは水掛け論になることが多く、解決するには正しい測量と公平な見地からの説明が効果的です。境界の専門家「土地家屋調査士」にご相談ください。

境界設置は土地家屋調査士の仕事です

「土地家屋調査士」は、不動産に関する国民の権利を現地において明確にするために、依頼を受けて不動産の表示に関する登記に必要な土地又は建物の調査・測量をして、登記所へ申請手続をする仕事をしています。近年では、筆界特定制度における筆界調査員、測量実施員として制度を支え、不動産所有者に代理して問題解決に貢献しています。

また、土地家屋調査士法に規定する民間扮装解決手続代理関係業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣が認定した土地家屋調査士は、ADR認定土地家屋調査士としての資格が与えられます。ADR認定土地家屋調査士は、弁護士との共同受任により代理人となって、ADRによる境界問題の早期解決に貢献しています。

現在、全国には、約17,600人の土地家屋調査士が、それぞれの地域において活動しています。

土地家屋調査士は、法律的判断と高度な技術を必要とし、常に厳正中立な立場から公正で適正な仕事をしています。土地家屋調査士の氏名は、不動産の状況を正確に登記記録に反映することによって不動産取引の安全の確保、国民の財産を明確にするといった極めて公共性の高いものです。その使命を果たすための基本姿勢を「土地家屋調査士倫理規程」として制定しています。

特に境界を確認するときは、地域の境界に関する慣習に精通することはもとより、関係する資料の収集、現地の状況、関係人の意見、地図や協議書等を参考に常に公正・中立な立場で業務を行っています。